事例紹介のブログ記事

2025年

6月

20日

事例紹介:不良基板からの部品移植

 

 作らせた基板に部品実装をしたのだが、

 基板不良が起きている。

 基板を作り直すから大事な部品だけ移植してくれないか。

 

 というお問い合わせ

 

 

 どうも話を伺ってみると、

 

 ご依頼主の部品実装企業が、

 基板作製を配線板メーカーに依頼したところ、不良基板だった。

 部品を搭載してリフローで半田付けしたところ基板の一部表面が

 膨らんでいるのが判明した。

 基板を作り直して再度部品実装をするしかないが、

 搭載している部品のいくつかが高額でなんとか再利用できないか。

 

 そういうお話のようです。

 

 実装された基板を見てみると何か所も表面が膨らんでおり、

 部品も浮いてしまっています。

 残念ながら完全に不良です。

 

 

ご依頼内容

 

 移植しなければならないとご指示をいただいた部品は

 BGAが1個、QFPが1個、SOPが2個です。

 

 部品の再利用というのは結構難易度の高い作業なんですね。

 

 というのも、

 BGAの再利用はリボールをしないといけません。

 リボールは色々なサイズの半田ボールを取り揃えていないとできない作業。

 修理ができる企業でもリボールはめったにやりません。

 

 またQFPやSOPもなかなか再利用は嫌われるものです。

 取り外しや再生のための半田除去で足が曲がってしまって

 問題が起きやすいんです。

 

 工房やまだではBGAのリボールは常日頃やっている作業ですし、

 QFP等の部品再生も部品商社さんから依頼を受けてやっています。

 得意中の得意。

 

 

 という訳で、やっていきます。

 

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2024年

1月

12日

事例紹介:LGAの未半田修正

 

 半田不良の多い部品であるLGAですが、

 基板と接合がうまくいっていない、所謂未半田の修正の依頼がありました。

 

 ご紹介していきたいと思います。

 

LGA

 

 まずLGAとは、こんな形のIC。

 

 裏面に端子がマトリクス状に並んでいる事が多く、

 今回の端子数は5×5の25個。

 

 裏面で基板と接合するので

 半田ごてを使って半田付けすることができない種類の部品です。

 また、端子に半田ボールが付いているBGAと異なり、

 底面がフラットになっています。

 

 

 次に基板の状態の説明をしておきましょう。

 

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2023年

11月

20日

事例紹介:PGAソケット実装

 

 今回は特殊な部品実装の事例紹介です。

 

LGAソケット

 

 実物の写真でも出せればわかりやすいのですが、

 PGAソケットです。

 

 上部がPGAを刺す真鍮の菅が並んだ形になっていて、

 下部が基板に実装する半田ボールが並んでいます。

 

 

BGAの取り外し

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2022年

2月

10日

事例紹介:モジュール内BGA移植

 

 今回もモジュールのリワーク。

 

基板に面実装されたモジュール

 

 モジュールのリワークはかなり難しい部類の作業です。

 理由は二つ。

 

 ①モジュール自体がLGAタイプやQFNタイプで扱いが難しい。

 

 大きめのLGAやQFNはそれだけでリワークが難しいです。

 部品下の半田のブリッジや未半田等問題が多いですね。

 

 ②モジュール内に部品が載っている。

 

 モジュールのリワークでは、その下の半田を融かす必要がありますが

 その加熱をすることでモジュール内の部品の半田も融けてしまいます。

 

 こちらは前回のブログでご紹介させていただきました。

 

 逆にモジュール内の部品のリワークでは、

 モジュールと基板の間の半田も融けてしまいます。

 融けた状態で何かの作業を行うと半田ブリッジが起きるかもしれません。

 

 という事で、今回はモジュール内の部品のリワークです。

 

 

モジュール内のBGAの交換作業

①モジュール内BGAへの加熱
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2021年

3月

17日

事例紹介:モジュール移植

 

 久々のブログになってしまいました。

 

 今回は事例紹介。

 とある企業の開発担当者さんからのご依頼で、

 基板に実装されたモジュールを別基板に移植してほしい、とのこと。

モジュール部品

 モジュールってざっくり図にするとこんな感じの物。

 色々部品の載った部品。

 

 当然モジュールは基板に多数のピンで繋がっているので、

 取り外しや実装時に端子の半田を一度に加熱して溶かす必要があります。

 となると作業を行うのはリワークシステムで、ということになりますね。

 

モジュール部品裏面

 裏面はこんな感じ。

 このモジュールだと端子形状としてはLGAと同じですので

 基本的には作業もLGAと同様になります。

 

 他にはQFNのように裏面から側面に端子が伸びているものや、

 コネクタで基板に挿入するタイプがあります。

 

 

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2020年

12月

14日

事例紹介:BGAのブリッジ修正

 

 今回は少し珍しい事例がありましたのでご紹介いたします。

 

 ご依頼は、BGAのリワーク等でお取引のある企業の担当者さんからでした。

 

 BGAのブリッジがあり、再実装か交換を検討されているということでした。

 

 費用的には

 再実装=取り外し+BGAリボール+実装

 交換 =取り外し+実装

 ということで、交換の方がリボールが無い分安いのですが、

 リボール費用よりもBGA自体の価格が安いということで交換作業に。

 

 

BGAブリッジが起きた理由

 

 ブリッジが起きているということでしたので、

 その原因を調べるべく、届いた基板にX線検査を行います。

 

 

 その結果がこちら。

 

 格子状に並んでいるのがBGAと基板を接続している半田ボール。

 その他の長方形は基板裏面のコンデンサ等のチップ部品です。

 

 はっきりとした異常があるのがわかります。

 少し解説していきましょう。

 

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2020年

12月

07日

事例紹介:QFNのブリッジ修正

 

 これまで数週にわたりBGAの改造についてをブログにしてきましたが、

 

 そろそろ別の物もということで、今回はQFNについて。

 

 

 このQFNを見たことがありますか?

 

 スイッチング電圧レギュレータだそうです。(型番は消しています)

 

 基板のリワークをしていると比較的よく見るQFNですね。

 類似の形状のものは多くあります。

 

 この形のQFNが非常に大きな問題を抱えています。

 

 

電圧レギュレータQFN

QFNの裏面端子
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2020年

11月

30日

事例紹介:BGA下の異物除去

 

 今回のブログは事例紹介です。

 

 そろそろBGA以外のものをご紹介しようかと思っていたんですが、

 ネタが集まらなかったので延期しました。

 

 基板の実装工場からの依頼で、

 組み立てた基板のBGA部分に異物がありそうだ、取り除いて欲しい、

 という内容でした。

 

 

異物が挟まった基板

異物が挟まった基板

 

 お預かりした基板はこんな状態。

 

 ぱっと見正常に見えますが、右側が少しだけ浮いています。

 

 

異物を除去するリワーク

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2020年

11月

02日

事例紹介:BGAのピン入れ替え

 

 今回は以前工房やまだでご依頼を受けた事例のご紹介。

 

 BGAのピン入れ替えです。

 

 回路を設計して、基板を作って、試作品を実装してみて、

 

 そこでBGAのピンを入れ替える必要がでてきたら、、、

 

 

 そんなご依頼に対応しました。

 

試作基板が出来上がってから、ピンを入れ替えできるのか

 生板の状態で、上の図の様なBGAのパターンがあったとします。

 

 この赤い丸の2カ所のピンを入れ替えなければならない。

 

 しかも試作基板はすでに部品を全て実装してしまった。

 

 そんな状態でのご依頼がありました。

 

 

 工房やまだでは試作基板の改造を承っています。

 

 中にはかなりお急ぎの場合も多々ありますが、

 基板そのものを改造する方法で比較的短い納期で対応可能。

 

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2020年

10月

19日

事例紹介:DDRメモリのプローブ基板挿入

 

 今回のブログは事例紹介です。

 

 

 開発中の基板での、DDRメモリチップの評価の為にプローブ基板を挟み込んで欲しい、というご依頼です。

 

 

DDRメモリのプローブ基板

DDRメモリのプローブ基板

 DDRメモリのプローブ基板ってこういうヤツです。

 

 基板とDDRメモリチップの間に挟み込んで、

 パッドから伸びている端子から信号を取り出せるようにする基板。

 

DDRメモリが搭載された基板
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