2021~2024年のブログ一覧

2024年

1月

12日

事例紹介:LGAの未半田修正

 

 半田不良の多い部品であるLGAですが、

 基板と接合がうまくいっていない、所謂未半田の修正の依頼がありました。

 

 ご紹介していきたいと思います。

 

LGA

 

 まずLGAとは、こんな形のIC。

 

 裏面に端子がマトリクス状に並んでいる事が多く、

 今回の端子数は5×5の25個。

 

 裏面で基板と接合するので

 半田ごてを使って半田付けすることができない種類の部品です。

 また、端子に半田ボールが付いているBGAと異なり、

 底面がフラットになっています。

 

 

 次に基板の状態の説明をしておきましょう。

 

LGA実装基板 部品面

 

 部品を載せる基板のパッドはこのような感じ。

 25個のパッドの内13個はパッドオンビアになっており、

 基板裏に貫通するビアがそのままLGAと接合する端子になっています。

 

LGA実装基板 基板透過

 

 基板は裏表の2層基板でした。

 表層を透けて裏面を見えるようにするとこんな感じ。

 

 ビアを通じて裏面に配線されています。

 

 

 

不良基板での未半田LGAの原因

 

 今回ご依頼があった未半田がどういう状況だったのかご説明しましょう。

 

LGA実装基板 断面図

 

 5列あるパッドの真ん中で断面図にするとこういう感じです。

 左端のパッドは基板表面でパターンが伸びて左の方につながっています。

 左から2番目、右端のパッドはパッドオンビアで基板裏面につながり

 パターンがひかれています。

 真ん中と右から2番目のパッドは未接続の未使用パッドです。

 

LGA実装基板 断面図 クリーム半田塗布

 

 基板に部品を実装する際にはパッドにクリーム半田を塗布していきます。

 

LGA実装基板 断面図 LGA搭載

 

 その後マウンタで部品を載せて、リフロー炉で加熱します。

 

 どうなったのでしょうか?

 

LGA実装基板 断面図 加熱実装

 

 基板が加熱されて半田が融解すると、

 部品と基板のパッドが接合されますが、

 パッドオンビア上の半田は融けた時にビアの穴に流れてしまいました。

 当然部品のパッドと基板のパッドはつながりません。

 

 これが今回のご依頼での半田不良の原因です。

 

 

未半田LGAの修理

 

 パッドンビアでBGAやLGAを載せると、

 このようにビアへの半田流れ込みが発生してしまうため、

 基板メーカさんでビアへの穴埋めを行うようですね。

 

 今回のご依頼ではその処理がされておらず不良となってしまいました。

 

 

 工房やまだでは豊富な経験を元に不良の原因特定、修理を行います。

 

 基板設計や実装工程での問題の解決には

 基板の駆け込み寺、工房やまだまで!

 

 株式会社工房やまだ

 FAX:0238-26-2361

 Email:info@koboyamada.jp

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2023年

11月

20日

事例紹介:PGAソケット実装

 

 今回は特殊な部品実装の事例紹介です。

 

LGAソケット

 

 実物の写真でも出せればわかりやすいのですが、

 PGAソケットです。

 

 上部がPGAを刺す真鍮の菅が並んだ形になっていて、

 下部が基板に実装する半田ボールが並んでいます。

 

 

BGAの取り外し

 

 BGAが実装されている基板からBGAを取り外します。

 

 いつものようにリワークシステムで加熱し、

 BGAと基板をつなぐ半田ボールを溶かして取り外し。

 

 

 BGAを取り外す事ができたら、基板の半田を除去して綺麗にします。

 

 

PGAソケットの実装

 

 半田が除去された基板にPGAソケットを搭載します。

 

 PGAソケットの裏面には半田のボールが並んでいて、

 その半田を溶かして基板のパッドと接続します。

 

 しかし、基板にソケットを載せて加熱しただけでは

 上手く半田が馴染まずに接続しない所ができてしまうので、

 ソケットのボールと基板パッドとの間にクリーム半田を塗って搭載します。

 

 

 

 取り外しの時と同様にリワークシステムで加熱して半田を溶かして

 はんだ付けをしていきます。

 

 これで作業は終了。

 

 

 あまり実施例も多くない作業ですが、珍しい改造でも承ります! 

 特殊な改造のご依頼は 基板の駆け込み寺 工房やまだまで!

 

 基板の駆け込み寺 工房やまだ

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2022年

2月

10日

事例紹介:モジュール内BGA移植

 

 今回もモジュールのリワーク。

 

基板に面実装されたモジュール

 

 モジュールのリワークはかなり難しい部類の作業です。

 理由は二つ。

 

 ①モジュール自体がLGAタイプやQFNタイプで扱いが難しい。

 

 大きめのLGAやQFNはそれだけでリワークが難しいです。

 部品下の半田のブリッジや未半田等問題が多いですね。

 

 ②モジュール内に部品が載っている。

 

 モジュールのリワークでは、その下の半田を融かす必要がありますが

 その加熱をすることでモジュール内の部品の半田も融けてしまいます。

 

 こちらは前回のブログでご紹介させていただきました。

 

 逆にモジュール内の部品のリワークでは、

 モジュールと基板の間の半田も融けてしまいます。

 融けた状態で何かの作業を行うと半田ブリッジが起きるかもしれません。

 

 という事で、今回はモジュール内の部品のリワークです。

 

 

モジュール内のBGAの交換作業

①モジュール内BGAへの加熱

 

 ①基板に実装されたモジュールの上のBGAの交換。

 

  BGAをリワークシステムで加熱します。

 

②モジュール内BGAの取外し

 

 ②加熱後BGAを取外します。(このBGAはもう使いませんがBGA Aとします)

 

③モジュール内BGAの搭載

 

 ③BGAの実装

 

  モジュールのBGAがあったパッドから半田を除去して綺麗にします。

 

  その後新しく実装するBGAを搭載。(BGA Bとします)

 

④モジュール内BGAの実装

 

 ④BGAの実装。

 

  最後にリワークシステムで加熱して終了。

 

 とまぁ、手順を書いていくとあっさりしたものですが、

 色々と気を付けなければいけないポイントがあって

 一朝一夕でできるものではありません。

 工程全てがノウハウの塊ですね。

 

 

 工房やまだではモジュールのような特殊部品に関連するリワークでも

 多くの依頼をいただいて実績を積んでいます。

 

 難しい改造のご依頼は

 プリント基板のかけこみ寺、工房やまだまで!

 

 基板の駆け込み寺 工房やまだ

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2021年

3月

17日

事例紹介:モジュール移植

 

 久々のブログになってしまいました。

 

 今回は事例紹介。

 とある企業の開発担当者さんからのご依頼で、

 基板に実装されたモジュールを別基板に移植してほしい、とのこと。

モジュール部品

 モジュールってざっくり図にするとこんな感じの物。

 色々部品の載った部品。

 

 当然モジュールは基板に多数のピンで繋がっているので、

 取り外しや実装時に端子の半田を一度に加熱して溶かす必要があります。

 となると作業を行うのはリワークシステムで、ということになりますね。

 

モジュール部品裏面

 裏面はこんな感じ。

 このモジュールだと端子形状としてはLGAと同じですので

 基本的には作業もLGAと同様になります。

 

 他にはQFNのように裏面から側面に端子が伸びているものや、

 コネクタで基板に挿入するタイプがあります。

 

 

別の基板への移植作業

モジュール部品が実装された基板

 さて、本題のモジュールの移植です。

 恐らく作業の目的としては、

 モジュール自体が不良なのか、実装不良なのかの

 判別をされたかったのかと思います。

 

 

モジュール移植作業①

 まず、一つ目の作業では、基板AからモジュールAを取り外します。

 このモジュールAが必要なもの。基板Aは不要となります。

 

モジュール移植作業②

 次に、基板BからモジュールBを取り外します。

 こちらは基板Bが必要なもの。モジュールBは不要です。

 

モジュール移植作業③

 基板BにモジュールAを実装します。

 

 最後に、X線検査装置で半田に異常がないかを確認します。

 無事にきれいに実装されていたので作業終了!

 

 

 と、簡単に作業の流れを書きましたが、

 普通のLGAの移植と異なりモジュールは問題が起きやすい部品。

 

 モジュール下の半田が融けるという事は、

 モジュール上の半田も融けていますからね。

 

 そういった所も含めて、簡単にやっているように見えるのも

 日頃の豊富なリワークの経験によるもの。

 

 モジュールの様な特殊部品のリワークは、

 プロント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!

 

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