最近少しばかりデータ復旧の業者様のお手伝いをさせて頂いております。
今回はビデオカメラの内部メモリのデータの救出に成功しました。
ご依頼頂いたのは海水に落としてしまったビデオカメラの内部メモリからデータを救出できないかという案件です。
工房やまだでは基板に実装されている内部メモリを取り外して、
別の新しいビデオカメラの基板に移植を試みました。
分かりやすく図と実際の基板の写真を交えてご説明します。
水没したビデオカメラの基板を基板A、それに実装されているメモリをメモリAとします。
同機種の新しいビデオカメラの基板を基板B、それに実装されているメモリをメモリBとします。
BGAを取り外したら基板Bの半田を除去します。
基板が冷めてしまうと、パットに残った半田が除去し難くなってしまう為
熱いうちに取り除きます。
基板のパットはなかなか弱く、半田吸い取り線で除去している間に破損してしまいやすいので
注意して取り除きます。
次にメモリAの半田の除去です。
BGAのパットの半田は基板のパットに比べると除去しやすくので後回しで大丈夫。
メモリAの半田ボール再生(リボール)を行います。
このBGAはピッチ(パットの中心と隣のパットの中心の間の距離)は0.5mm。
ピッチが0.5mmですと使用する半田ボールは直径0.3mm。
ピン数は161ピンです。
161個の半田ボールを工房やまだ独自の方法で搭載してリワークシステムで加熱します。
下の写真は加熱してリボールが完了した後、綺麗に洗浄したものです。
最後は実装です。
基板のパットとメモリの半田ボールに
フラックスとクリーム半田を塗って
正確な位置に置き加熱する。
それだけの作業ですが、
細かいノウハウの塊です。
加熱の条件も基板1枚1枚に合わせて変えないと
綺麗に実装なんてされません。
付いてるように見えるけど、
半田ボール1ピンだけ
半田が溶けていないなんて良く聞く話です。
今回の案件もそうですが、
工房やまだで扱う基板は1枚限りばかりです。
それはつまり条件を作るサンプル基板が無いということ。
1枚でも1発成功!これが難しい。
成功率を高める秘訣は1にも2にも経験です!
実は、このビデオカメラのエンドユーザー(持ち主)様はお子様の出産の時からの動画を、
このビデオカメラの内部メモリに撮り貯めていたそうです。
そのかけがえの無い思い出を救い出すことが出来て、非常に嬉しいです。
他では出来ないBGAメモリの移植も!
是非、プリント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!
TEL:0238-22-0771
FAX:0238-26-2361
Email:info@koboyamada.jp
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